こんにちは、旅するFLSKサポーターのCocoです。
こちらの連載マガジンでは旅や小旅行のショートストーリと、旅やお出かけをより豊かにするFLSKの使い方を毎月ご紹介しています。
秋の冷たい風が晴天をゆっくりと流れるある日、訪れたのは長野県松本市。
この地を訪れた理由はある方と会うため。
私は「 スペイン巡礼 」と呼ばれる、キリスト教三大聖地のひとつであるスペイン北西部に位置するサンティアゴ・デ・コンポステーラを目的地にバックパックを背負いながら1000kmスペインを歩く旅をしました。
簡単にいえば、日本の熊野古道のようなイメージです。
巡礼という名の通りキリスト教の聖地を目指し歩く道ではありますが、近年では宗教に関係なく、自身の楽しみのために歩く人も多い道。
私自身も無宗教ですが、歩くことで感じる自由さと楽しさに魅入られた一人。
そんなスペイン巡礼についてブログで発信していくうち、未来の巡礼者の方々からご連絡を頂くようになり、実際に巡礼に行かれた方とはじめて長野県松本市でお会いすることになったのでした。
現在私が拠点としている場所から松本市までは長距離バスで。
遠出する時、浮き足立つ心のままに普段は買わないでろう軽食を買いたくなってしまう経験は誰にでもあるはず。
私も例に漏れずバスターミナルであれもこれもと手にしそうになりながら、そんなには食べられないと一つだけ選んだパンを片手にバスへ乗り込み、景色を楽しめるであろう窓際をしっかりと確保して、少しそわそわしながら耳に音楽を。
バスの旅、鉄道の旅と車内にいる時間が多い時でも、いつでも温かい飲み物を楽しめるのもFLSKの良いところ。
FLSKは熱湯95度の場合70.1度の暖かさを18時間保ってくれるので、温かい飲み物が美味しいこの季節にはぴったりです。
( ※温度はFLSK1000mlサイズでの検証結果 )
ゆるりとくつろぎのひと時を楽しませてくれますよ。
車窓を眺めながら微睡むうちにバスは目的地である松本駅に到着し、待ち合わせ場所へ。
以前からメッセージのやり取りはしていたものの顔を合わせるのは初めてにも関わらず、以前から知っていたような空気感に笑みが溢れ、歩く旅がくれたご縁が新たな旅へと誘ってくれるよう。
心地よい挨拶を済ませ向かったのは松本城。松本市のシンボルとも言える黒塗りの城は、見事な威厳の中にもどこか心落ち着く佇まい。
それは、城を囲むように湾曲した美しいお堀のせいかもしれません。
観光名所でありながら、まるで公園のようなゆったりとした空気が流れる松本城には、ベンチに腰掛け少しだけ肌寒い風を気にも留めず、読書にこうじる人の姿もちらほら。
しばし松本市街に別れを告げ、向かった先は松本駅から車で約30分ほどの場所に位置する安曇野。
稲刈りを終えた田んぼが視界を埋め尽くし、目の前には荘厳たる山々。雪が降る地域ならではの傾斜の大きな屋根。
流れゆく景色をうっとりと眺めながら訪れたのは、安曇野市豊科近代美術館。
青空に映えるオレンジ屋根と白亜の西洋風の建物はまるでヨーロッパにいるような気分にさせてくれます。
一歩足を踏み入れれば静寂が支配する空間に響くのは足音だけ。壁際には美しい彫刻が並び、小ぢんまりとした空間ながら見応えたっぷりの美術館。
実は安曇野は知る人ぞ知るアートの町。
「 安曇野アートライン 」と呼ばれるエリアが存在し、北アルプスの麓である安曇野に18もの美術館が点在しています。
約50kmの間に18もの美術館が建つエリアは世界的にも珍しく、北アルプスの麓ならではののどかな雰囲気の中でアートを心ゆくまで堪能できる知る人ぞ知る美術館の里です。
長野の名物といえば外せないのがお蕎麦。
旅の締めくくりは、ご一緒した方が兼ねてよりおすすめしてくれていたお店で北アルプスの山々を望む絶景を眺めながら、絶品のお蕎麦を食すなんとも贅沢なもの。
箸でひと口すくって口に運べばしっかりとした喉越しが感じられ、素晴らしい景色がより一層美味しさを引き立ててくれるひと時です。
今回の旅はどこか特別なものであったように感じる帰りのバスの中。
誰かに会いにいく旅はあれど、自分の好きなことで繋がる縁は感慨深いものでした。
まるで私の旅とその方の旅が交差したようなひと時は、スペインを歩きながら出会う人々と過ごすひと時と同じような喜びであり、それはまた人生の中で出会う人々と過ごす喜びと同じもの。
そんなひと時は心暖まる満足感となり、次の旅への暖かなエールのようで。
すっかり陽が落ちて暗闇を走るバスの中、FLSKからひと口飲むコーヒーはゆっくりと喉を通り、その暖かさはじんわりとまるで今日一日の幸福感のように心に広がっていくのでした。
【FLSKマガジンをご愛読いただいている皆様へ】
今月をもちまして、FLSK JAPAN サポーター Cocoによる連載を終了させていただく運びとなりました。
長きに渡りご愛読いただいた皆様に感謝申し上げます。
はじめましての方も、すでにご購入下さった方も、FLSKが素敵な日々を送るアイテムになれば幸いです。
筆者:FLSK JAPAN サポーター Coco ( フリーライター / 旅のwebマガジンLOCAL LOCAL運営 )
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